
- 性格
グレーハウンドは、温和で優雅な性格を持つ犬種として知られています。競走犬としてのイメージが強いものの、実際の性格は非常に落ち着いており、家庭では穏やかで静かな存在です。
社交性が高く、他の犬やペットとも友好的に接することができますが、猫や小動物に対しては狩猟本能が刺激される場合があるため、注意が必要です。
- 特徴
極めて優雅で流線型の体型を持つ犬種で、その特徴的な体格はスピードと敏捷性に特化しています。
胸部は深く、肺と心臓の発達が顕著であり、これにより高い持久力を誇ります。脚は長くて細いが非常に強力で、特に後肢は強い推進力を生み出します。尾は細長く、通常は低く保たれていますが、活動中には上向きに持ち上がります。

※参考「この犬が一番」(草思社)

原産国 | ドイツ |
サイズ | 大型犬 |
体高 | 牡:60~65cm 牝:55~60cm |
体重 | 牡:30~40kg 牝:22~32kg |
グループ | 10G:牧羊犬・牧畜犬 |

・歴史背景
・飼い方
・毛色
・なりやすい病気
歴史背景
グレーハウンドは、非常に古い歴史を持つ犬種で、その起源は古代エジプトやギリシャにまでさかのぼります。彼らの祖先は、狩猟に特化した猟犬として育てられ、主に視覚を頼りに獲物を追いかける「サイトハウンド」として知られています。エジプトの墓やギリシャの陶器には、グレーハウンドに似た犬の描写が数多く残されており、古代の王侯貴族に愛されていたことが窺えます。
中世ヨーロッパにおいても、グレーハウンドは貴族の象徴として重宝され、特にイギリスでは鹿やウサギなどの狩猟に使用されていました。彼らの優れたスピードと俊敏さは、狩猟において非常に重宝され、またその優雅な外見からも貴族たちのステータスシンボルとされていました。
19世紀になると、グレーハウンドは狩猟犬としてだけでなく、競走犬としてもその能力が評価されるようになり、イギリスを中心にドッグレースが盛んに行われるようになりました。20世紀にはアメリカにも紹介され、レース犬としての人気が高まりましたが、その一方で家庭犬としての魅力も認識されるようになりました。
飼い方
適度な運動を必要とし、朝夕1時間程度の散歩が必要。
寒さに弱いため、寒冷地での飼育には防寒対策が必要です。冬場の散歩時にはコートを着せるなどして、体温を保つ工夫が求められます。
また、グレーハウンドは体脂肪が少ないため、硬い床や寒い場所で寝ると関節に負担がかかりやすいです。柔らかいベッドや毛布を用意して、快適に過ごせるようにしましょう。
毛色
色には、非常に多くのバリエーションがあります。代表的な毛色としては、ブラック、ホワイト、フォーン、ブルー、ブリンドルなどが挙げられます。
これらの単色に加え、パッチ(斑点)やマーブル模様が入る個体も存在します。ブラックやブルーは非常にシックで洗練された印象を与え、フォーンは柔らかく温かみのある色合いです。
なりやすい病気
グレーハウンドは比較的健康的な犬種ですが、下記の病気には注意が必要です。
胃捻転(ガストリック・ディラテーション・ボルバルス、GDV)、股関節形成不全、白内障や緑内障
寒さに弱く、低体温症になりやすい点にも注意が必要です。寒冷地での飼育には、防寒対策を十分に行い、体温を維持することが求められます。さらに、グレーハウンドは皮膚が薄く、床ずれや擦り傷に対して敏感であるため、寝床や生活環境のクッション性を高めることも重要です。